毎年が初めてと言われる荒れ狂う天候に、秋澤いちご園の圃場は悩まされてきました。
水害で何度も畝が潰れて、その度に折れそうな心を奮い立たせ、手作業で8棟のハウスの畝を修復したこともありました。
いつか…いつか崩れずにシーズンを終える事が出来たら不耕起栽培に移行したいと、考えていましたが、2021年 そのチャンスはやってきました!
☆不耕起とは☆
「耕さない」との意味ですが、いちご農家の場合、一度立てた畝を壊さずに使い続ける…と言った意味で捉えていただければ分かりやすいかと思います。
硬く丈夫になった畝は、水害にも耐え、根張りを誘導する水の道が出来、苗の生育も良くなります。
不耕起定植の取り組みやすさと、ポテンシャルの高さを実感し、あまりの着果に摘みきれないという事態も経験した2022年。
それを踏まえての2024年。撒いていた糠の量も減らし、肥料もほぼ無しでの定植です。10/8現在の様子は昨年同様、低く大きく成長する苗に根付きも悪くはないと観察しております。
畝の上に、ポットの土のお尻だけが埋まる形で苗を植える「置くだけ定植」
もちろん、ただ無造作に置いているわけではなく、キチンと角度やポイントはあります。
この作業に変えてから、とても作業が効率よくなり、私たちとしては少人数の農家さんにこそ試して欲しいと思って、不耕起栽培を始める少し前から続けているのですが…
植え忘れている、いつ植えんだ?と近所のおじちゃんたちに言われ続けて来ました。
でも昨年辺りから、様子を見にくる方が増えて、嬉しかったんですよ!
実はこの置くだけ定植、尊敬してやまない愛知のいちご農家の重鎮が、教えて下さったものなのです。
教えていただいたものなのに、現代農業にまで取り上げていただき恐縮するばかりでしたが、心底喜んで下さった心広き先輩の後に続きたいと思っております。